デンタルフロスで歯垢を除去!正しい使い方と注意点
2023/05/12
デンタルフロスは歯垢の除去に効果的
~デンタルフロスをおすすめする理由~
歯ブラシだけの清掃では、1本ずつていねいに磨いたつもりでも、どうしても磨き残しが発生してしまいます。実際に、「歯ブラシだけでは歯と歯の間のプラーク(歯垢)の61%しか除去できない」といわれています。
歯ブラシだけだと、プラークや食べかすなど細かいものが歯と歯の間に残ってしまうのです。
しかし、歯ブラシだけでなくフロスも使った場合、歯と歯の間のプラークを79%まで除去できるといわれています。さらに歯間ブラシを加えると、85%まで除去することが可能です。
プラークが残ると虫歯や歯周病の原因となります。そのため、毎日の歯磨きでは歯ブラシだけでなく、フロスや歯間ブラシの併用がおすすめです。
~歯間ブラシとの使い分け方~
歯と歯の間にアプローチするアイテムには、フロスと歯間ブラシがあります。どちらか一方を使えば良いということではなく、歯の隙間に合わせて使い分けることが大切です。
フロスは細い繊維を糸状にしたもので、狭い隙間に適しています。歯並びを見たときに歯と歯の間にそれほど隙間がないように見えるなら、フロスを使うと良いでしょう。子どもから大人まで使えるアイテムです。
歯間ブラシは、歯と歯の隙間が広い部位を清掃するのに適しています。また、ブリッジをしている人も歯間ブラシで磨くとプラークを除去しやすいです。
人によっては「フロスだけで十分」と思うかもしれませんが、歯の隙間が広かったり、ブリッジをしたりしている人はフロスに加えて歯間ブラシも使用しましょう。
自分に合ったフロスの選び方
〖種類から選ぶ〗
種類があるように思う方もいるかもしれませんが、実はフロスは「ホルダータイプ」と「ロールタイプ」の2種類だけです。
この2つの違いを知っておけば、自分に合ったフロスを簡単に選ぶことができます。
〇ホルダータイプ
ホルダーと呼ばれる持ち手がフロスが付いているため、コツが要らず誰でも簡単に扱えるのが特徴です。初めて使う方や子どもでも簡単に使えるタイプのフロスといえます。
ホルダータイプには「F字型」と「Y字型」があります。F字型は前歯に使いやすく、Y字型は前歯にも奥歯にも使いやすいのが特徴です。
ホルダーが付いていないロールタイプのフロスだと、奥歯を清掃する際に指を口の奥まで入れる必要がありますが、ホルダータイプだとその必要がありません。
〇ロールタイプ
フロスのみでホルダーがないため、必要な長さに切ってから使用します。フロスの両端を両手の指に巻き付けて使用するため、フロスを切るときは指に巻き付ける分の長さも加味して切らなければなりません。
ホルダータイプと比べると扱いが難しいですが、慣れてしまえばそんなに不便は感じません。ホルダーがない分、コスパが良い点もメリットです。
〖素材で選ぶ〗
フロスの素材は、ワックス加工されているものと、そうでないものに分けられます。どちらが良いとは一概にはいえず、それぞれにメリットとデメリットがあるので、両方比較して自分に合った方を選ぶと良いでしょう。
〇ワックスタイプ
ワックスタイプは、フロスをワックスでコーティングしているため滑りやすく、狭い歯と歯の間にも入り込みやすい点がメリットです。歯と歯が重なりあっている部分にもスルッと入るため、ノンワックスタイプでは引っかかってしまうような部分でも使えます。
また、フロスが切れにくいため、フロスに慣れていない初心者の方でも扱いやすいのがメリットといえるでしょう。
〇ノンワックスタイプ
ノンワックスタイプは、フロスをワックスで固めていないタイプのものを言います。ワックスで固めていない分、繊維が広がりやすく歯の隙間にフィットすることで汚れを落としやすいのがメリットといえます。
ただし、ワックスタイプと比べると滑りが良くなく、引っかかって切れやすいのがデメリットです。
高いプラーク除去効果を求めるのであればノンワックスタイプ、歯の隙間が狭いという方や扱いやすさで選びたいという方はワックスタイプがおすすめです。
場所別のフロスの使い方
〇上の前歯
上の前歯は、片方の手の親指と、もう一方の手の人差し指で上向きにフロスを押さえて使用します。
フロスを歯の隙間に入れるため、片方の手の指は歯の内側に、もう一方は歯の外側になるようにしてフロスを前後にスライドさせながら、ゆっくり入れていきましょう。フロスはピンと張った状態をキープし、左右の歯の側面を沿って上下に数回動かしていきます。
両サイドを清掃したら、フロスをゆっくりと引き抜きます。
同じ方法で上の前歯すべての歯間を清掃していきますが、使用した部分のフロスはずらして、新しい部分を使用しましょう。
〇上の奥歯
上の奥歯は、前歯を磨くときと持ち方を変えます。両手の人差し指を使って上向きにフロスを押さえましょう。
清掃方法は上の前歯と同じように、フロスを前後にスライドさせながらゆっくり入れて、歯の側面に沿って上下に数回動かします。両方の歯の側面を清掃したらフロスをゆっくりと引き抜いて、別の歯をフロスの新しい部分を使って清掃していきましょう。
〇下の歯
下の歯は、前歯も奥歯も同じ持ち方です。両手の人差し指を使って下向きにフロスを押さえて、上の前歯・奥歯と同様に清掃していきましょう。
いずれも歯肉炎がある部位は出血しやすいため、出血したからといって使用方法が間違っているわけではないので安心してください。プラーク除去をして歯肉の炎症が解消されると、出血はおさまります。ただし、歯肉の炎症が治まることで隙間が広くなってしまうこともあります。
フロスは、少なくとも1日1回の頻度で 使用することをおすすめします。
まとめ
フロスを使うことで、歯と歯の間にあるプラークや食べかすなどを除去できるため、歯と歯茎の健康維持にとても役立ちます。
通常の歯ブラシだけでは落とせない汚れも落とすことができるので、食後はフロスや歯間ブラシなどを使った歯の清掃を毎日の習慣にしていきましょう。
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